
京都府教育委員会は、説明責任を果たさず、府民の意見を聞く姿勢がまったくない、「山城地域の府立学校再編整備計画」の不当な決定をただちに取り消すべきである
2005年7月22日
京都教職員組合
京都府立高等学校教職員組合
1 昨日、京都府教育委員会は7月度定例教育委員会を開催し、5月24日に急遽発表された、城南・南八幡高校2校と桃山養護学校の廃校を含む「山城地域における府立学校再編整備計画」の決定を強行した。私たちは、この生徒・府民と教職員無視の決定強行に厳しく抗議し、その撤回を求めるものである。
2 決定強行にあたって、第1に指摘しなければならないのは、教育行政としての説明責任をまったく果たしていないことである。会議では、私たちがこの点を厳しく追及してきたことを意識したやりとりが行われ、「十分説明がされていると考える」(大橋委員)と自賛している。しかし、これがまったくの表面的な「説明」であることは、関係者が一番よく知っていることである。保護者に対しては「文書を配布した」とし、「教育委員会が直接説明してほしい」という生徒の声に対しては「校長から説明した」など、一貫して直接の説明を避けてきた。府教委が直接説明に出かけた城南高校同窓会の説明会は、一部の役員のみに連絡があり、圧倒的多数の会員は蚊帳の外に置かれた。「PTA・同窓会の役員に説明した」と言うが、開かれた説明の場はないに等しい。「山城地域の高校統廃合問題を考える会」から出されていた公開質問状への回答から数日で決定するに至っては、開かれた意見交換を行う気がまったくないことを示したものである。このような状態で「十分に説明責任を果たした」といえないことは明らかである。
3 第2に、幅広い府民の意見を聞く姿勢がまったくなく、「はじめに高校つぶしありき」の統廃合計画に他ならないことが明らかになった。高校統廃合問題や養護学校の早期建設をめぐっては、多くの府民から陳情・請願や要望が出されている。本日の会議だけでも、「城南高校の統廃合に反対する同窓生有志の会」からの申し入れや、1万1,418筆にのぼる統廃合反対の署名が提出された。養護学校建設に関わる要請も2件出され、これまでのものと合わせると相当数の声が寄せられている。前述の説明会でも「いろんな意見があった」と認めざるを得ないのが実態であり、推進を求める請願や陳情は1本も出ていない。ところがこれほどの疑問や批判の声があっても、「意見は聞くだけ」というのが教育委員会と事務局の姿勢である。「いい学校を作ったらそれでいい」(岩田委員)、「養護学校の新設は用地問題が大変困難。新しい用地が確保できたと喜んでいる」「(案は)委員会としても快挙と考えている」(藤田委員長)との発言に至っては、その真意を図りがたいものである。
4 第3に、とくに私たちが許せないのは、「生徒の意見も聞いてほしい」「教育委員会が直接説明してほしい」という子どもたちの声を踏みにじったことである。城南高校生徒会の「目安箱」には123通の意見が寄せられていると聞く。最近行った全校生徒アンケートでは、全校生徒の9割にあたる696名が回答し、その71.7%の生徒が府教委の示した方針(案)に反対を意思表示している。一昨日には校長を通じて全校生徒のアンケート結果を教育委員会に届けているが、こうした生徒たちの声や意見は完全に無視したものであった。母校の将来を心配する生徒の気持ちなどまったく意に介そうともしない、教育に携わる立場からは考えられないこうした態度に、私たちは驚きを禁じ得ない。
また、この方針決定強行は、「交通・学校・警察署などあらゆる社会基盤について、しっかりとした経営の観点から効果的な再編成、再構築が迫られている」(京都新聞1月30日付)とする、山田知事の教育上にも「経営の観点」を最優先するという、自治体の役割を放棄した姿を鮮明にしたものである。こうした「経営の視点」が、高校生の声を踏みにじり、一日も早い養護学校建設を願う切実な声を切り捨てているのである。
5 以上の点から、今回の決定は教育委員会自身がこれまで唱えてきた基本的な姿勢を欠いたものである。そして「5月24日に発表したのはあくまで方針案。十分説明し、出された様々な意見を真摯に受け止めることは当然」とする私たちへの説明をも破るものである。重ねて決定の撤回を求める。
同時に、今回の決定ですべてが終わったわけではない。私たちは生徒を含めた学校関係者や住民との共同を発展させ、あらゆる機会と場所で今後も「高校つぶしやめろ!」「宇治・城陽・八幡に養護学校の早期建設を!」の運動をいっそう発展させていくことを、あらためて表明するものである。